コンプレッサーとは、ある一定以上の音圧レベルの入力があった場合、音をつぶす(圧縮とも言う)処理をするエフェクトのことを指します。

「コンプ」とも呼ばれています。

コンプレッサーは何ができるの?

コンプレッサーを使えば、音の最大レベルと最小レベルの差(この差をダイナミックレンジと言います)を小さくすることができます。ダイナミックレンジを小さくするということは、大きな音は小さく、小さな音はそのままにすることであり、全体の音の大きさを平均化することを意味します。

なぜそんなことをしたいのかというと、最大レベルと最小レベルの差が大きい場合には、うるさすぎるところではボリューム下げたり、音が聞こえにくいところではボリュームを上げなくてはいけなくなるからです。

そんな面倒なことをリスナーにさせるわけにはいかないので、制作者側がコンプレッサーを使い、音の大きい部分は圧縮してしまうのです。

ですが、何でも圧縮すれば良いのかと言ったら、そういうわけでもありません。

音をつぶし過ぎると、均一な音量になりすぎて何の面白みもない音になってしまいます。

コンプレッサー用語

コンプレッサーを使うときには専門用語をよく使うことになるので、下記の用語だけでも覚えましょう。

パラメーター

Ratio(レーシオ)

日本語では比率や割合という意味を持ちます。どれくらいの比率で波形を潰すかを決める設定です。2:1、4:1、8:1など比率で表します。

Threshold(スレッシホールド)

日本語では閾値(しきい値)と呼ばれます。圧縮を始める境目となる値のことを指し、コンプレッサーはここで設定したレベルより上に飛び出た波形を潰そうとします。

Attack(アタック)

波形の音量がスレッシホールドレベルを超えた後、レーシオで設定した値まで圧縮する早さを決める設定です。

例えば、Ratioを4:1に設定し、Attackを0.20ms(ミリ秒)に設定していた場合、スレッシホールドレベルを超えた波形を、超えた分の4分の1の高さに圧縮するまで、0.20msかけて行うという意味です。

Release(リリース)

波形の音量がスレッシホールドレベルより下がった後、どのくらい経ってから圧縮をやめるかを決める設定です。つまり、どれくらい波形を圧縮し続けるかを決める設定です。

ダイナミックレンジをわざと大きく取ったり、逆に圧縮したりする理由

映画の場合

アクション映画をイメージしてください。

映画ではダイナミックレンジは大きく取っています。

たとえば、映画では臨場感を出すために静かなシーンとうるさいシーンの差をわざと大きく作っています。

もしコンプレッサーで音量を圧縮しすぎて、ヒソヒソ話をしているときと銃撃戦が起きたときが同じ音量になってしまったら、見ている側からすると全くつまらないですよね。

そうならないように、音量の差をわざと大きく取っているのです。

音楽やラジオの場合

音楽のボーカルをイメージしてください。

イントロでは静かなのに、サビになった瞬間にすごくうるさくなったらどうしますか。

ビックリしてボリュームを絞りますよね。

でも、ボリュームを絞っても波形のレベルで音量差ができてしまっているため全く意味がないのです。ボリュームを絞ったら、サビが終わりまたAメロに戻った瞬間に音量が静かになるので、今度はボリュームを上げる必要が出てきます。本末転倒ですよね。

このように、相対的な音量の差は単にボリュームをいじっても変わることはないのです。ですから、音楽の世界では多くの制作者側がコンプレッサーを使って音量の差を減らし、波形の音量バランスをなるべく揃えようとします。

コンプを使うことでサビのうるさい部分の波形はつぶされ、イントロの静かな部分はつぶされません。これにより、曲の相対的なバランスが揃います。

そうすれば、ボリュームがどんな状態にあろうとも音楽の音量に差がないため、「うるさい!」とか「聞こえない!」とはならなくなるのです。

ラジオでも同じです。

ラジオでは普通に話をしているときと大声で笑っているときの音量差ってあまりないですよね。

もしここで大きな差があったら大変です。もし車でラジオを聞いていて、いきなり大音量で誰かが笑ったとしたら、運転している人もビックリして、何か事故を起こしてしまうかも知れません。

ですから、ラジオは誰にでも聞きやすいように、コンプレッサーが深くかけられていて音の均一化が図られています。

まとめ

コンプはこのように様々なところで使われているとても大事なエフェクトです。

しかし、コンプをかけすぎると音楽は台無しになってしまうので、コンプのかけ過ぎにだけは注意しましょう。