マスタリングでは素晴らしいミックスにスパイスを加えてさらに素晴らしいミックスを作り上げるのが目的です。

ですから、マスタリング・エフェクトはスパイスとして「ほのかに」かけることが重要です。

大きく変更を求められる場合はそもそもミックスが悪いということになります。ミックスが悪ければ、マスタリングをどんなに頑張っても良いミックスに作り替えることは不可能です。

では、マスタリングではどのようなエフェクトを使うのが普通なのかを解説していきます。

マスタリングで使うエフェクトは大体5種類ほど

  • イコライザー(Equalizer)
  • ステレオイメージャー(Stereo Imager)
  • リバーブ(Reverb)
  • マルチバンドコンプレッサー(Multiband Compressor)
  • マキシマイザー(Maximizer)

イコライザー(Equalizer)

マスタリングではPre EQとPost EQをセットで考えるのが基本です。

関連記事:イコライザー(EQ)で聞き取りやすい音質のバランスを作る

プレ・EQ(Pre EQ)

最初にかけるEQです。Pre EQは何か他のエフェクトをかける前に特定の周波数をあらかじめ変化させておきたい場合に使用します。もちろん何も変化させないということもあります。

ポスト・EQ(Post EQ)

あとからかけるEQのことをPost EQと言います。

基本的にPre EQとPost EQの間には何かしらのエフェクトを置きます。そのエフェクトの処理によって削られてしまった周波数を復活させたり、そのエフェクトの処理によって増えてしまった周波数を削ったりするために使うEQがPost EQです。つまり、Post EQはあとから整える役目を果たすのです。

ステレオイメージャー(Stereo Imager)

ステレオイメージャーは中央に配置してある音を外に広げてステレオ感を強調します。

基本的に低音(ドラムのキックやベース)は中央の定位(音の位置ということ)から外してしまうと、人間は大きな違和感を感じてしまいます。したがってステレオイメージャーで音を外に広げていきたいのは中高音域のみということになります。

マスタリングで使用するステレオイメージャーではどの周波数より下は中央に配置するかという閾値(しきい値)を設定することができます。中央に配置する音は基本的に右のチャンネルからも左のチャンネルからも全く同じ音が聞こえるので、モノラルです。なので、この閾値を決める設定の名前をMono Filter(モノフィルター)と呼びます。

リバーブ(Reverb)

リバーブでは残響を足すことによって音の空間を増すために使います。

リバーブをかけると音は中央の定位からどんどん外に広がっていきます。ですからステレオイメージャーと同じでリバーブを低音にかけてしまうと、低音が外に広がり人間は大きな違和感を感じてしまいます。したがって、マスタリング時にかけるリバーブは中高音域のみということになります。

マスタリングでリバーブを使うときは、ほんのちょっとだけかける感じにしましょう。

関連記事:リバーブで空間の残響音を加える

マルチバンドコンプレッサー(Multiband Compressor)

マルチバンドコンプレッサーは特定の帯域にだけコンプレッサーをかけて音を圧縮することができるエフェクトです。特定の帯域だけを圧縮できるということは、音のバランスを変えることができるという意味です。

関連記事:マルチバンドコンプレッサーで周波数帯域別にコンプレッサーをかける

マキシマイザー(Maximizer)

マキシマイザーは音圧をあげるエフェクトで、別名リミッターとも呼ばれています。

関連記事:リミッター・マキシマイザーとは

ある決められた値以上の音量を完全にカットしてクリッピングを防ぐと同時に、音のダイナミックレンジ(音の最大レベルと最小レベルの差)を狭めて音圧を稼ぐことができます。

関連記事:適切な音圧を決める方法

まとめ

このように、大体5種類のエフェクトしかマスタリングでは使いません。

もちろん全部使う必要はなく、必要なものだけを適宜使っていけば良いと考えてください。

そして、何回も言いますが、マスタリングでエフェクトをかけるときは「ほのかに」かけてください。かけすぎると確実に失敗します。